今日は初めての浴衣デート―になる筈だったのに…後ろから抱き竦められて

キャラクター設定

登場人物をお好きな名前に変更できます。

milkyに掲載の小説は当サイトが契約する作家陣によるオリジナル作品であり、著作権は当サイトにて保持しています。無断転載、二次利用は固く禁じます。不正な利用が確認された場合、法的措置を取らせていただきます。

今日は初めての浴衣デート―になる筈だったのに…後ろから抱き竦められて (ページ 1)

「お待たせ」

長い髪をアップにし、初めての浴衣姿を彼にお披露目する。

かく言う私も彼の浴衣姿を見るのは初めてだ。

いつもと違う雰囲気にお互いどこか落ち着かない。

照れ隠しに、微笑んでみせる。

「ヤバッ。純子さん、きれい……」

5歳年下の彼・零一にを前に、普段は余裕でいられる私も今日ばかりは彼の熱い視線に胸が高鳴り、どうにもうまく目を合わせられない。

2人で行く初めての花火大会。

マンションの部屋からでも花火は見られるのだが、距離があるので、いまいち臨場感にかける。

2人で浴衣を着て、会場まで見にいきたいと私が誘った。

背の高い零一には、歳の割に大人っぽい柄を選んであげた。

いつもより落ち着いた雰囲気に、艶が加わったかのようだ。

そんな彼の様子が視界に入る度、胸がキュゥッと締め付けられる。

「そろそろ行こ」

っと後方にある玄関に向かうため背を向けると

「あーー、どうしよう。もう抱きたい」

と、後ろから覆いかぶさるように抱きしめられた。

あっという間に零一の胸の中。

スルリと彼の手が、着付けを終えたばかりの浴衣の襟から入りこむ。

「浴衣って、こんな風に好きな人の胸をいつでもどこでも揉めるようになってんのかぁ」

すぐ耳元で鳴る声。

「始まっちゃうから……もう行こう」

と促してみても、胸を揉む手は止まない。

「はぁーー。柔けぇ。幸せ」

もう、子供なんだから。でも、可愛い。

コメント (0)

コメントを書く