昔の彼氏と6年ぶりに偶然再会!ケンカ別れしたわけでもない私たちの仲は、急接近していく・・・ (ページ 2)

『ごめん、そろそろ仕事戻らないと・・・』

コーヒーを飲みほしたタケル君はそう言いながら、軽々と私の食べた食器のおぼんと自分のおぼんを持ち上げると、返却口へ返しに行った。

なんだか、もっと話したいという気分と、急に虚無感に襲われた。

『あ、連絡先交換しておく?』

タケル君はポケットからスマホを取り出すと、ラインIDを耳元で言った。

「〇〇〇×××」

家に戻ると早速言われたID検索をした。

簡単にタケル君とは繋がって、その夜連絡が来た。

三回目の再会は更に3週間後、駅前にあるコーヒーショップだった。

『仕事が18時に終わるから、〇〇駅前のコーヒーショップで会わない?』

と連絡が来た時は、既に待ち合わせの時間まで1時間くらいしかなかった。

一日家にいたからか、髪はボサボサ、顔はどすっぴん。

一瞬断ろうかとも思ったけど、ご飯もまだだったし、誘いをOKすることにした。

『コーヒーもいいけど、ごはん食べたいな』

そうラインしたら、

『分かったよーん』

と文字の入ったスタンプが押されてきた。

家から近いこともあり、簡単な服装で出かけたが、さすがに化粧だけはしっかりしていった。

もうそろそろ騙しのきかない年齢に入ってきているからだ。

昔の彼氏だからか、昔より劣化した姿は見せたくなかった。

女の見栄だろうか・・・

カフェラテを飲みながら待ってたら、窓をトントン叩くタケル君が居た。

カフェに入ってくると、一際目立つ。スーツ姿もカッコいい。

席に座った途端、私の飲んでいたカフェラテをぐびぐびっと飲み干してしまった。

『あ~~~!』

そう言うと、

『いこ!』と私に言った。

あんまり引っ越してきて出掛けていないのもあって、まだよくお店もわからず、どこに行くのかなぁ・・・とくっ付いていくと、いきなり手を引っ張って入ったのが飲み屋街から少し入った所にあるラブホだった。

『タ、タケル君!!』

部屋のボタンをさっさとポチして、受付でお金を払っているタケル君。

さっさと鞄にお財布をしまうと、私の手を引っ張ってエレベーターに乗った。

『あたし、こんなトコ行くなんて一言も言っていないし!』

バタバタエレベーターの中で騒いでいると、後ろからムギューっと抱きしめられた。

部屋に入ると、タケル君が私を放さないでずっと後ろから抱きしめている。

『苦しいよぉ・・・放してよぉ』

そう言っても、後ろから抱きしめて、タケルくんは顔を私の肩の所に埋めて居るだけだった。

『離さないよ・・・もぉ・・・』

そう、耳元で小さな声で呟いた。

『実はさ、住民登録手続きしに瞳が来た日、僕その書類を処理したんだよ・・・』

『僕は、また近い内来るだろうと思っていたから・・・次は絶対に会おうと決めていた』

『じゃぁ、あの日偶然じゃなかったの?』

『毎日、いつ来るかいつ来るか、と思って注意してた・・・』

そう言うと、私の唇にキスをしてきた。

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