痴漢に手で口を塞がれ性感帯である首や耳、ナカも一緒に責められるいつもと違う通勤電車 (ページ 11)

「ちょっとー。真由、大丈夫?出勤してからぼんやりしすぎじゃない?」

会社に到着してからも、私はしばらくぼうっとしていた。

振り向きざまにみた彼の黒髪。

背は高い方だった。

なんとなく。

後頭部だけだったけれど、見覚えが……?

「ねぇ、本当に大丈夫?真由ったら私の話聞いていないでしょ」

「あっ!ごめん!なんだっけ?」

同期のゆかりが頬を膨らます。

でも、すぐに心配そうに眉をひそめた。

「もぉー!体調悪いの?今日課長いないし、早退しちゃえば?」

「だ、大丈夫。心配してくれてありがと。ちょっと電車で酔っちゃったみたい」

まさか、本当のことなんて言えるわけない……!

私はゆかりの心配をよそに、給湯室から出る。

ちょうど、宅急便の人が事務室に入るところだった。

「こんにちは」

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