旅先で迷子になった私が出会ったのは、路地裏で佇むバーテンダー風の彼。行き先を示してくれた彼の手は、不意に私の手首を掴んで……。

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旅先で迷子になった私が出会ったのは、路地裏で佇むバーテンダー風の彼。行き先を示してくれた彼の手は、不意に私の手首を掴んで……。 (ページ 1)

彼氏と旅行中、露店に並ぶアクセサリーに熱中していると……いつのまにかはぐれてしまった。

何度か彼氏の名前を呼んでみたけれど、返事がない。

「(こんな時に限ってスマホはホテルに置いてきちゃうし……)」

観光客でごった返す大通りから離れ、私は記憶を頼りに歩いていく。

街灯が少なくて一気に薄暗くなる雰囲気に心細くなるけど、とにかくホテルに帰れば大丈夫と自分に言い聞かせた。

すると――

「迷子?」

という声がした。

見ると、路地裏でタバコを吸っているバーテンダー風の男の人が立っている。

「(あ、この人に聞けば分かるかも)」

私は路地裏へ近付いた。

「そうなんです。彼氏とはぐれちゃって……あの、この辺に」

私が言いかけると、彼はちょいちょいと手招きをした。

聞こえなかったのかな、と思った私は路地裏へと入っていく。

「この辺にある○×ホテルを探してるんですけど」

「○×ホテル……」

どこだったかな、と言いながらその人は煙を吐いた。よく見ると、切れ長の目にすっと鼻筋の通ったキレイな顔立ちをしている。

年齢は、30代後半か40代ぐらい……かな。でも、ずっと若くも見える不思議な雰囲気の人だった。

そして胸元のネームプレートには『松山』と書かれていた。

「聞いてる?」

彼――松山さんの声にハッとする。

「あ、ごめんなさい! ボーッとしちゃって……」

「そのホテル、この通りを抜けたところにあるよ。変な置物があるところでしょ」

「そうそう、それです! あー良かったぁ、ありがとうございます」

そう言って頭を下げると、松山さんはにっこりと微笑んでタバコを捨てた。

地面に叩きつけられたタバコに目を取られていると、私は不意に手首を掴まれる。

「そーゆーのはいいからさ」

グイ、と自分の方へと引っ張ると、突然私にキスをした。

唇の隙間にするりと舌が入り、私の舌と絡ませてくる。

「んっ……」

咄嗟のことに驚いて抵抗しようとしたけど、腰を抱かれてぴったりと身体が密着して動けない。

どうしてこんなこと……と思いながらも、松山さんのキスの上手さに頭がクラクラする。

唾液に混じったタバコの匂いも、彼氏のキスとは全然違っていた。

ふ、と唇が離れる。身体をよじらせて松山さんから逃げようとすると、背後から耳たぶをかぷりと噛まれた。

「あっ」

思わず声がうわずる。

「可愛い声出すね。感じてんだ?」

「やだ、何でこんなこと……っ」

「ははっ、手招きされてこんなとこ来るほうがダメでしょ」

松山さんの手はワンピース越しに私のアソコを弄る。

この頃には恐怖よりも快感が優ってしまい、ガクガクと脚が震えるほど感じていた。

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