一度だけ…送別会の夜に誘われた抗えない禁断のワンナイト (ページ 3)
「暖かい・・・」
思わず言葉が漏れた。
答えるように、長谷川の手がゆっくりと、美優の太ももに回る。
その掌もあたたかい。
美優は深くため息をつき、目を閉じた。
いつの間にか眠ってしまった。
長谷川に促されるまま車を降り、いざなわれたのはいつものオフィスだった。
人気のない深夜のオフィス。
すでにきれいに片づけたいつもの椅子に、長谷川は美優を座らせた。
長谷川もいつものように、美優の横に立つ。
そして、耳元に口を寄せ、低く囁いた。
「ずっと、君のことを、見ていた」
その唇は、ささやきが終わっても離れることなく、美優の耳たぶをくすぐる。
「あ・・・」
肩をすくめる美優の頬を長谷川の大きな掌が撫でる。
「ずっと・・・欲しかった」
耳元のささやきは、美優の脳に直接届き、甘くとろけさせていく。
「課長・・・」
美優の顎が上がるのを見逃さず、長谷川の唇が重なる。
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