一度だけ…送別会の夜に誘われた抗えない禁断のワンナイト (ページ 2)
長谷川は、どんな時も美優の仕事を見守ってくれた、美優にとっては誰よりも頼れる上司だった。
今夜も、本当は一番話したかった、別れを惜しみたかった相手だったのに、なぜか長谷川は一度も自分の隣に来てくれなかった。
美優はそのことに一抹のさみしさを感じていたのだった。
突然のことに戸惑っているうちに、長谷川は美優の先に立ち、タクシーを止めた。
促されるまま乗り込むと、長谷川も隣に乗り込んでくる。
そして、「KM商事の前まで。」と、会社の場所を告げた。
「・・・課長?」
意外な表情で見上げる美優の顔を、長谷川は見下ろすと、静かにほほ笑んだ。
「僕との送別会は、まだ済んでないだろ?」
言葉とともに長谷川の手が美優の腰に回り、そのまま引き寄せられる。
「あ・・・」
酔った美優の体がふわりと揺れ、そのまま長谷川の腕の中に抱え込まれた。
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