「…ん…。」
目を開けると、そこはいつもの寝室だった。
トクトクと高鳴る胸とは裏腹に、シンと静まり返ったソコには私以外の寝息が聞こえる。
「あ…。」
感じるぬくもりに目を向けると、いつもは背を向けて寝るはずの悠斗さんの手が、私の手を優しく握り締めていた。
…あれは、夢?
意識を手放す前に確かに聞こえたあの言葉。
けして梟をかぶった男性の声ではないそれは、私の心を一瞬にして救ってくれた。
もしかしたら、本当に夢なのかもしれない。
だけど、夢だとしても伝えたい。
眠る横顔にキスを落とし、小さな声で囁いた。
「…私も…愛してる。」
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