怪しくも紳士的な梟にセックスレスを相談したら…導かれてみる夢の正体とは
キャラクター設定
登場人物をお好きな名前に変更できます。
milkyに掲載の小説は当サイトが契約する作家陣によるオリジナル作品であり、著作権は当サイトにて保持しています。無断転載、二次利用は固く禁じます。不正な利用が確認された場合、法的措置を取らせていただきます。
怪しくも紳士的な梟にセックスレスを相談したら…導かれてみる夢の正体とは (ページ 1)
「お一人ですか?」
仕事の帰りにたまたま寄った小さなバー。
一人カウンターの端で飲んでいた私に、その人は声をかけた。
ハットを深くまでかぶり、キッチリとしたスーツ姿。
薄暗い店内でその顔は分からずとも、どこか紳士的な雰囲気を感じられた。
耳に残る低い声。
声質からして、40代ぐらいだろうか。
驚く私の姿に、男性は続けた。
「私、こう言うものです。」
スッと目の前に出された物。
黒い名刺だ。
お酒のせいだろうか。
恐怖を感じなかった私は、そのままその名刺を受け取ろうと手を伸ばした。
「!?」
「…結婚されているんですね。」
名刺を持つ手の指先が、私の指輪に触れる。
反射的に手を引いた私に男性は続けた。
「あなたの悩みを解決いたしましょう。」
「…え?」
俯いていた顔をあげると、もう姿は消えていて。
残る指輪に触れた指の感覚と、テーブルに置かれた黒い名刺に、私は暫くその場から動く事が出来なかった。
コメント (0)