「成人式の日に展望台の上で」口約束が守られた時、想いを伝え合うのは―
キャラクター設定
登場人物をお好きな名前に変更できます。
milkyに掲載の小説は当サイトが契約する作家陣によるオリジナル作品であり、著作権は当サイトにて保持しています。無断転載、二次利用は固く禁じます。不正な利用が確認された場合、法的措置を取らせていただきます。
「成人式の日に展望台の上で」口約束が守られた時、想いを伝え合うのは― (ページ 1)
あの時、泣く私に良介は言った。
「俺たちまだガキだからさ…こうやって傷つけ合うことしかできないけど、もし出逢うのがあと何年か遅くて、ちゃんと大人になってて、結婚とかできる歳ならもっと上手くやれてたよ。出逢うのが早すぎたんだな」
私はセーラー服のスカートにぼたぼた涙を流しながら、良介を見上げた。
「亜弥、よく聞け。俺たち今は上手くやれないけど、出逢うべき時が来たらきっとまた上手くやれるはずだ。その時また逢おう。
成人式の日にいつもの公園の展望台の上で」
あれから五年経った。
私は高校を出て働くようになり、頭の良かった良介はどこかの大学に行ったはずだ。
成人式…振り袖は着なかった。
そんなものを着たら自由に行動できなくなると思ったから。
リクルートスーツで式に参加、はしゃぐ友達と写真を撮りながら、会場のどこかに良介かいないか探している自分がいた。
でも良介は見つけられなかった。
コメント (0)