両手首を拘束されて『お仕置きするから』と大好きな彼が迫ってきて (ページ 4)
「…結局、俺は菜奈に甘いよな。」
不満げに歪む目元にキスをした。
「大輔、…入れて。したい」
「…今度は寝んなよ。」
疑わしげな視線を送る大輔に、口付ける。
いつも私にしてくれるように、舌を絡めて深く溶け合うように唇を重ねる。
大輔は、私の頼りないリードに合わせるように長い舌を一層深く絡ませ、熱く硬くなったものを私の蜜口にあて、そのまま一気に奥まで貫いた。
悲鳴のような声が大輔の舌に絡め取られていく。
「…中、すご…」
絞り出すように言う大輔が、愛しくて中がぎゅうっと反応する。
「…大輔っ、すき。」
「…あんまり、自制出来なくなること言わないでくれる。余裕ないから、俺。」
そういう割に、ゆっくりと慣らすように出し入れをする大輔に、我慢できず煽るように自分から腰を動かした。
「私も…我慢できない…っ。動いて。大輔も、我慢しないで」
煽るように、腰をまわし大輔ので自分の中をかき混ぜる。
きゅうっと奥が縮んで大輔が息を漏らした。
ぐっとギリギリまで引き抜かれてから奥まで一気に貫いて、攻め立てるように打ち付ける。
いつもより激しく響く肌と肌のぶつかる乾いた音と混ざり合う水音が、部屋中に響き渡る。
大輔の攻め立てを受けとめ、自分からも快感を貪るように腰を動かした。
頭の中は快感を追うことだけしか考えられなくて、そのまま一気に階段を駆け上がるように頂まで登りつめた。
すでに収縮を始めた私の中を擦り上げ、こじ開けるように速さと強さを加速していく大輔にしがみついて迎え入れた。
次第にいつもなら引いていくはずの体のくすぶりが、また広がり始めた。
「な、んか、おかし…っかもっ。また…イキそっ…」
「…いいよ、イッて。俺ももう、これ以上むり」
二人で駆け上がるように快感を貪り、私の絶頂の直後に大輔が最奥を打ち付け動きを止めた。
「大丈夫か。」
「うん、大丈夫。…けど…眠くなってきちゃった。」
「いいよ。寝て。」
「手、握っててもいい?」
それには答えず、私の伸ばした手に大輔の長くて骨ばった指が絡まる。
「あの、ね。同僚の男の子がね、」
安心して瞼が開かなくなってくる。でもこれだけは伝えておきたい。
「大輔と同じ香水つけてたの。タクシーでそれに気づいて、なんか大輔が側にいるみたいで、無駄に安心しちゃって…ごめんね。」
でも、もう絶対昨日みたいなことしないから、と言いたくて頑張ったけれど、最後まできちんと言える前に思考が飛んでいった。
「…ふーん、なるほどね」
大きな手が私の額を優しく撫でた。
それから、私達の家から大輔の香水の瓶が処分された。
それに私が気付くのは、もう少し後になってから。
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