私が先輩の「いい思い出」になる時、切なさを通り越えた幸福を知る (ページ 9)
「うん、ごめんね」
そう言って償いをするかのようにピストンを始める。
私は感じたことのない快感にあえぎながら、シーツと先輩の背中を交互に抱きしめる。
熱病に浮かされたようにもうろうとする意識と、汗まみれになっていく感覚の中で、私はこの夜のことを忘れないでいようと思った。
みっともなく追いかけたりしなくて良いように、十分幸せな思い出だったと思えるように、全身で今先輩を求め、捧げようと思った。
自分でも信じられないほど体が敏感に反応を始め、
二人の体が溶け合ってるんじゃないかと思うほどぴったりとくっついてうごめき、
先輩が奥を突くたびに私はみっともなくあえいだ。
時おり指で乳首をはじかれ、そのたびに私の足に力が入り、先輩がさらに腰を使う。
加速するピストンと快感にわけがわからなくなり、世界が回るようにぐるぐるとなって、私と湊先輩はほとんど同時に絶頂を迎えた。
ほんの数秒の間をおいた後、先輩はそのまま倒れこむように私に覆いかぶさり、
最初で最後の長い長いキスをした。
別れというよりは、祝福のようなキスだった。
私は切なさを通り越えた幸福の中で、
これで二人ともちゃんと自分の未来へ歩んでいける、と思った。
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