「もう無理だよ」禁止令を出していた先輩に図書室の蔵書保管室で求められちゃう

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「もう無理だよ」禁止令を出していた先輩に図書室の蔵書保管室で求められちゃう (ページ 1)

今日の図書室は、試験前の盛況ぶりが嘘みたいにガラガラ。

そんな日にも顔を見せてくれた先輩が、カウンターにいた私に笑いかける。

代わり映えのしない図書委員の業務が、浮き立つものに変わる瞬間。

「理乃ちゃんもサボっちゃえばいいのに」

「そういう訳にもいきませんよ。今日はカウンター担当だし、一緒に当番する人はまだ来てないし」

「そいつ、多分今日は来ないよ」

「え?」

思わず聞き返せば、先輩はおかしそうに笑った。

「ここに来る途中、昇降口の前で見かけたんだ。ゲーセンに行くとか話しながら帰ってった」

「ええ!?」

驚いて声を上げてしまった私に、カウンター越しの先輩の手が伸びる。

「図書室ではお静かに」

唇に乗せられた指先に、思わず後ずさる。

「理乃ちゃん顔真っ赤」

「一樹先輩ってば…」

きっと今の私は、首から上は真っ赤になっている。

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