セクハラ患者から助けてくれた外科医にお礼をしにいったら…当直室で結ばれる恋 (ページ 3)
先生は若いけれど腕が良くて、おまけに恰好良いから女性スタッフからも人気がある。
私にとっては遠い存在だ。
それでも、好きな人……この気持ちは、まだ誰にも言ってない。
先生が今日の当直だと知ったのは、日もどっぷり沈んだ頃。
リハビリ科の戸締りを終えて、私が最後に部屋を出ようとした時だった。
さっきのお礼を言おう。
そう思った私は、帰り支度を済ませて、そのままドクターの当直室に向かった。
「失礼します…」
「恵?どうしたのこんな時間に」
当直室には先生しかいなかった。
今日はここで寝泊まりするからだろうか、白衣の代わりに先生はラフな部屋着のような格好をしていた。
そんな姿にさえ見惚れていると、近寄ってきた先生が、私の顔の前で手を振った。
「おーい、恵」
「あっ!す、すみません!今、お時間大丈夫ですか?」
「いいよ。何かあったの?」
後ろ手に扉を閉めて、改めて先生に向き直った。
「実は、今日のことで先生にお礼を言おうと思って」
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