彼氏とプロレスを見に行ったら、超有名なプロレスラーにナンパされ、断ったのに……!

キャラクター設定

登場人物をお好きな名前に変更できます。

milkyに掲載の小説は当サイトが契約する作家陣によるオリジナル作品であり、著作権は当サイトにて保持しています。無断転載、二次利用は固く禁じます。不正な利用が確認された場合、法的措置を取らせていただきます。

彼氏とプロレスを見に行ったら、超有名なプロレスラーにナンパされ、断ったのに……! (ページ 1)

「プロレスラーってまじかっこいいんだよ」

彼氏はプロレス雑誌を見せながら、亜矢に語った。

「この人がタイニってプロレスラーで、この団体で一番人気なんだよ」

「へえ。なんで人気なの?」

と亜矢は訊いた。

「身長190くらいあるし、男の色気もすげえから。ドSキャラだし、女のファンがすっごい多いんだよ。かっこいいじゃん」

「そうかな。私にはあんまりわからない」

亜矢は首をかしげた。

「亜矢は俺に夢中だから?」

彼氏が訊いた。

「そう」

亜矢は微笑む。

初デートはプロレスの試合だった。

プロレスの試合は正直、亜矢には退屈だった。

最前列のチケットはなかなか取れないらしく、『亜矢のために、頑張って最前列のチケットを買った』と彼氏は言ったが、正直、亜矢にとっては大柄の男たちがぶつかり合っているだけという印象だった。

亜矢の彼氏はどちらかといえば華奢で、インテリ風で、男くさくないところが亜矢の好みに合っていた。

メインイベントになり、タイニが現れた。

「本物、どう? かっこいいでしょ?」

彼氏が亜矢に訊いた。

亜矢は黒い肌にオイルを塗ったギラギラしたタイニに魅力を感じなかった。

むしろ、『怖いなぁ』と感じた。

チャラい感じで、日本人といよりはラテン系の雰囲気をもったタイニは女のファンたちにアピールしている。

革のビキニパンツの衣装を身につけていて、いやでも股間に目がいってしまう。

女のファンたちは「きゃあ」と悲鳴を上げ、「タイニ様っ! 抱いて!」と声援を送っている。

タイニの試合はほかの選手たちよりも華があり、初心者の亜矢でも楽しいと感じられた。

(なんか、目が合ってる? 気のせいだよなぁ)

亜矢はタイニの視線を感じる気がしたが、勘違いだろうと思った。

選手が試合中にお客を見ているとは思えなかったからだ。

試合が終わって、選手たちのサイン会が始まった。

彼氏は「あの選手のサインもほしい」と、いろいろな選手のサイン会に並んでいる。

「ちょっとトイレに行ってくるね」

興味のない亜矢は彼氏にそう告げて、女子トイレに向かった。

女子トイレには行列ができていた。

鏡の前でメイクをしている人も多く、ごった返している。

亜矢はきょろきょろっとして、別のトイレがないか探した。

【STAFF ONLY】と書かれたドアがそっと開いた。

「ねえ、トイレあるよ」

と男の声がした。

タイニだった。

亜矢は驚いた。

「こっちおいで」

タイニは亜矢の腕をつかんで、ぐいっと引っ張った。

タイニの強い力で、亜矢の体はぐらついた。

ドアのなかに連れ込まれた亜矢は、よろめいて、タイニの胸に寄りかかった。

「さっき、最前列にいたでしょ?」

タイニが訊いた。

タイニはコスチュームから着替え、Tシャツとジーンズ姿だった。

「あ、はい」

亜矢は思わず返事をした。

「すげえかわいいなって思ってた」

タイニの体はココナッツのような甘い匂いがした。

肌に塗っているオイルの匂いかもしれないと亜矢は思った。

「名前は?」

タイニが訊いた。

「亜矢ですけど……あの、彼氏が待ってますんで」

亜矢はタイニから離れた。

「トイレは? あるよ?」

タイニは関係者用のトイレを指さした。

「大丈夫です。どうしても行きたいわけじゃないんで」

亜矢は断り、ドアノブを握った。

「それじゃ、俺つまんないもん」

タイニはドアノブを握った亜矢の手をつかんだ。

タイニは亜矢の手を自分の股間にあてた。

ジーンズ越しでも、ペニスが勃起しているのがわかった。

亜矢は怖くなって、「放してくださいっ」と言った。

コメント (0)

コメントを書く