出張先のホテルで見た夢は?元カレと過ごした甘い一夜が忘れられなくて。
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出張先のホテルで見た夢は?元カレと過ごした甘い一夜が忘れられなくて。 (ページ 1)
久しぶりの出張で地方に来た私は、疲れた足を引きずってホテルまでの道を歩いていた。歩き疲れて、道路の傍らでスーツケースに腰かけて座り込んだ。ふと夜空を見上げると、星座が光っていた。思わず、先週別れたばかりの恋人の星座を探した。
「湊斗、今ごろどうしてるかな?」
ポケットから携帯を取り出して湊斗の電話番号を検索したが、電話をかける勇気はなかった。
「・・・もう振られたんだもんね。明日も早いし、ホテルに帰って寝なきゃ。」
そう呟くと、私は再びスーツケースを引いて人混みのなかを歩き出した。ホテルの部屋に入った瞬間、昼間の疲れが出て、私はベッドに倒れこんだ。
「湊斗・・・会いたいよ。」
ベッドに顔を埋めた途端、感情が押さえきれなくなり、号泣した私は、泣きつかれて眠ってしまった。
何時間たっただろうか。目を覚ますと、私の隣に湊斗が寝ていた。しかも二人とも裸!?
「目が覚めた?」
「え!?湊斗!?なに、これ?私たち、別れたんじゃ?」
「成海・・寝ぼけてんの?俺たち、さっき、このホテルチェックインしたんじゃん。」
「え!?」
部屋のなかを見回すと、私と湊斗の服が床に散らばっている。私たち二人は、ラブホのベッドの上にいた。
「成海、服脱いだ瞬間に寝ちゃうんだもんなー。いくら仕事で疲れてるからって、それはないよ。」
「あ・・なんか、夢みてたのかな。私。湊斗と別れて、出張先のホテルで泣いてる夢。」
「なんだよ。それ?いくら成海がワーカホリックでも、それはないわー。」
「ご、ごめん。」
「いいよ。それより、続きしよーよ。せっかく久しぶりに会ったんだし。」
そう言うと、湊斗は私の身体をぎゅっと抱き締めて、額にキスした。私は、湊斗の肩に腕を回して、彼のキスに応えた。
「成海の口の中、さっき食べたお茶漬けの味がする。」
「悪かったね~。どうせ私は、お茶漬けばっかり食べてますよ。」
「相変わらず仕事忙しくて、食事も軽く済ませてるんだろ?身体、壊すなよ。」
「大丈夫だよ。でも、たまにしか会えなくてごめんね。」
「気にするなよ。俺は、思いっきり仕事してる成海が好きなんだから。」
「ありがとう。」
(別れたのは、きっと夢だったんだ。)
私を気遣ってくれる湊斗の声に安堵しながら、彼の手を握った。湊斗はもう一度私にキスすると、私の胸の谷間に指を這わせた。
「ねっ、このツボ知ってる?緊張をほぐす効果があるんだって。」
「あっ・・・くすぐったい。やっ・・ちょっ・・ダメだって。あはは・・。」
私たちは二匹の猫みたいにじゃれあって、何度もキスを交わした。湊斗の舌が私の口の中に侵入してくると、身体が徐々に熱を帯びていくのがわかった。
「成海、天井見て。」
湊斗の囁き声に導かれて、彼の肩越しに天井を見上げると、そこには満点の星空が映しだされていた。
「わぁ・・きれい。」
「だろ?」
私達は二人並んで仰向けになり、天井に映し出された星空を見上げた。
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