疲れた彼のため、今夜はあたしがご奉仕エッチ
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疲れた彼のため、今夜はあたしがご奉仕エッチ (ページ 1)
ピンポーン、と、ドアチャイムが軽やかに鳴った。
「あ、帰ってきた!」
あたしの大好きな淳史。やっと帰ってきた。
玄関に向かいながらちらっと時計を見ると、もう十一時近い。
「お帰りなさい!」
ドアを開けると、
「……ただいま」
淳史はため息をつくみたいに返事をした。
「ごはんは?」
「ごめん、外で食べてきた」
「そっか……」
ここんとこ、ずっと残業続きで、すごく大変そう。
なんだか、顔色もあんまり良くないし。
ほんとは、
「もー、遅い! 晩御飯、いらないならいらないって、ちゃんと連絡してよ!」
とかって、文句言ってやりたかったけど。
疲れて、それでも何とか優しい表情を浮かべようとしてる彼を見ると。
とても、そんなことは言えなくて。
つい、
「だいじょぶ?」
なんて、言っちゃった。
「うん、平気。……いや、ちょっと、お疲れさんかも」
たしかに、そんな感じ。
体も疲れてるだろうけど、何より神経がすり減っちゃってるのかも。
可哀そう。
もー。ひどいね。日本の会社って、ほんと、ブラックばっか。
淳史みたいにまじめで仕事のできる人ほど、いつも便利にこき使われちゃうんだから。
こんな時、あたしにできることは、ひとつだけ。
「……する?」
ちょっと上目遣いに見上げながら。
「百花」
彼は小さく笑った。
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