新人タレントの私。演技の特訓がだんだんエッチな特訓に!?
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新人タレントの私。演技の特訓がだんだんエッチな特訓に!? (ページ 1)
「ほんっとにもう、ご主人様は何をやってもダメですね……。メイドにこんな風に叱られて、悔しくないんですか?」
ソファーに腰をかけ、脚を組み、踏ん反り返る私。
その眼の前には、荒縄で後ろ手を縛られ、正座させられた男がいる。
「まぁ、あなたなりに努力はしたのでしょう。……約束は守りますよ。ご奉仕、してほしいんでしょ? ご主人様」
私はわざとゆったりとした様子で脚を組み直す……。それにより、この極端に短いメイド服の裾から太腿が露出して……。
「……人が真面目にやっているんだから、笑わないで頂けますかね、マネージャー?」
「ぶはっ! す、すまんすまん……セリフは完璧なのに始終自信がなさそうなのが逆に面白くてな……!」
声は必死に我慢していたマネージャーの堀木さん。でも、口の端は始終ひくついてたの、気が付かないわけないっつーの!
私、綾瀬は芸歴二年の新人タレント。
CMからバラエティ、たまに歌のお仕事も貰ったりして絶好調なわけで……今度の仕事はなんとドラマ出演だ。
その役というのが「ダメなご主人様をちょっとエッチにお仕置きするドSメイド」というもの。
清純派の演技には自信があるけれど、深夜帯のそれはさすがに経験がない。
と、いうわけで。仕事上がりにマネージャーに役作りに付き合って貰っている。
「しっかし、何度練習しても綾瀬は表情が硬いんだよなぁ。もっと強気に誘惑するように……つまるところ、エロさが足りん!」
「だって、私そういうキャラじゃないですし」
「だからこそ、この役で一皮むけて欲しいんだろ。よし、続き、マッサージのシーンやるぞ。集中集中!」
それはこっちのセリフだ!
とは続けず、私は台本を確認する。えーと、確かこの後は……
「……ほら、さっさと横になりなさいよ。してほしいんでしょ? ご奉仕」
言いながら、私は堀木さんの耳元でくすっと微笑む。
(確か、このとき首に吐息をかけるんだっけ……)
プライベートでこんな経験のない私はどぎまぎしながら、ふぅっと優しく吐息をこぼした。
「……ッ! はい……! してほしいです……」
「あら? おかしいなぁ。私、前にも言ったはずですよ? お願いしたいときは『お願いします。綾瀬様』ってちゃんとおねだりしなくちゃ、ね?」
にこっと微笑みながらネクタイを取り、犬の首輪を引っ張るようにぐいっと絞める。
堀木さんが少し苦しそうに眉をひそめたところで、正座する彼の太腿を脚で踏む。
「で、おねだりも上手にできないダメダメなご主人様は、私にどんなご奉仕をしてほしいんですか?」
私は台本通り、脚をだんだん付け根の方へ進め、男性のそこを踏みつけるようなポーズを取る。
「そ、そこはダメです……! こ、腰とか、マッサージしてほしいです、綾瀬様!」
「ふうん? じゃあ、そのソファーに寝そべりなさい」
普段、いい加減なようで私の事をちゃんと考えてくれる堀木さん。彼の口から、こんな情けない声を聞くと……なんだか本当にイケないことをしているような気分になっちゃう。
この後、うつ伏せになったご主人様に私が馬乗りになって、「もっと激しいご奉仕、欲しくなぁい?」ってセリフでシーンが切り替わるらしい。
「……」
私は堀木さんの背中に乗って……その背中の広さと体温にどきどきした。
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