隣の世話焼きサラリーマンを煽ったら思わぬドSさに泣かされる (ページ 2)
「帰さん。今日はあったかい飯食わせてやる」
「いーらーなーいぃぃーコンビニでいいのーーー!」
「よーし美味い肉じゃが食わせてやるからなー」
あれよあれよと言う間に部屋に連行され、座らされた。
いい匂いの温かい肉じゃがとほうれん草のおひたし、白いご飯に味噌汁が出てきて、目の前に広がる理想の食卓によだれが止まらなくなり降参した。そのままおかわりまでして、おまけにビールまで呑んでしまった。
目の前で楽しそうに話を聞いていた神木さんも、流石に私が缶ビール3本目に手を掛けたのを見て止めに入ってきた。
「えっ、なんれすかぁ~?」
「野木さん、もう止めとけ」
「やだぁ~!もっと呑むの~!」
「……疲れてると酔いやすいからなぁ、出した俺のミスか」
「うううう、明日も仕事、明後日も仕事、……彼氏もいないしなんにも最近幸せなことない」
「ほら、酔っ払い。送るから今日は帰れ。また今度飯作ってやるから」
神木さんが私の腕を掴んで立つのを手伝ってくれた。
だけど、なんとなく帰りたくなくなってしまった。
私のバックと上着を取ってくれた神木さんに、勢い良く抱きつく。
「うおっ…野木さん酔いすぎだなー、しっかりしろ」
「……神木さんいい匂い」
細身なのに男らしい胸板、ふわりと香るいい匂いに思わず擦寄る。
神木さんは困ったように、私の頭をひと撫ですると、引き剥がされた。
コメント (0)