「…ねぇ、私とセックスしない?」―越えてはならぬ筈の一線を越える昼下がり (ページ 3)
週末、夫は接待でいつも朝帰りしてくる。
夫の予定を聞き、静華はクリーニング店から返ってきたストールを持って夫の会社に向かった。
―今夜、8時にホテルの一室にいます―
メッセージを添え、陵介に届けるようにと受付に託した。
部屋で待っていると陵介は時間通りにやって来た。
来るなり静華を抱き締めて会いたかったです、と告げてきた。
もつれ合うようにキスを交わし、一緒にシャワーを浴びた。
こんな風に男といちゃつくのも久しぶりだった。
陵介は前戯をするように丁寧に静華の全身を洗ってくれた。
指先まで慈しむように泡でなぞられたかと思うと、子供のように胸の突起を口に含んでくる。
純粋に自分とのセックスを楽しんでくれる陵介に静華の蕾は期待で濡れていった。
ジャケットが置いてあった一人がけのソファに座り、静華は陵介のしたいように全身を愛撫させた。
唇から胸、縦に割れた臍へと舌は移動し、蜜壺に散々顔を埋め、イキそうになる寸前で脚をつぅっと舐めて爪先をしゃぶる。
陵介はずっと屹立したまま、先からトロリとした液体を滲ませている。
「あら、自分で触ってるの?…我慢できないのね…いやらしいわ。」
静華は自慰をしている陵介の握りこぶしに脚をぐっと押し付けた。
うっと呻きながらも今度は手の指先をしゃぶっている陵介と鋭い視線が絡む。
微笑を浮かべながら静華は陵介をソファに座らせた。
「…いつだったか社長がおしゃってました。うちのは後ろから突いてやるとアンアン喘ぐんだって。」
あの人らしいと内心毒づいた。
家の中に妻を囲い、仕事も間接的に監視してすべてを支配しているつもりになっているのだろうと。
静華は陵介に跨がり腰を落とした。
「でも静華さん、…本当は騎乗位が好きなんじゃないですか?…っ…。」
ぞくぞくと腰から疼きが広がり、猛った男のものを締め付けてしまう。
眉を寄せている陵介が中でぴくっと反応した。
陵介が虐げられることが好きなことも、支配するのが好きな自分との相性がいいこともすぐに分かった。
静華は久々に感じる甘い快感を全身で噛み締めた。
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