夜景が一望できるガラス張りの院長室で年下の鬼畜新人ドクターに襲われる (ページ 4)
「…顔を上げて頂けませんか?」
「あ…」
いつの間に移動したのか、私のすぐ側で聞こえた優しい声に、ゆっくりと顔を上げる。
「…思った通りの、綺麗な顔ですね。…橘さん。」
「…え?」
綺麗と言われた事よりも、更に驚いたのは初めて会うはずのこの人が私の名前を知っていたから。
「あ、あの…」
「見ちゃいました。履歴書。」
「っ!?り、履歴書ですか!?」
驚くあまり、思ったよりも大きな声が出てしまい、咄嗟に口に手を当てる私。
またもやクスッと笑われてしまった。
「はい。ここに入社する事が決まった夜に、こっそり親父の部屋に入ったら見つけたんですよ。スタッフ全員の履歴書。」
目の前でにっこりと笑う彼は、まだ幼さの残る可愛らしい顔をしていた。
ふわふわな栗色の髪の毛が柔らかそう。
整った顔を眺め、きっとすぐに人気者になるだろうな。
なんて考えていると…アーモンドアイのぱっちりとした目がジッと私に向けられた。
「でも、興味が出なかったんですよね~。」
「…き、興味?」
言葉の意味が分からず、困惑な表情をしてしまう。
歯科への興味が元々無かったんだろうか。
そんな無理にドクターをしなければならない状態…?
ぐるぐる頭を回転させながら固まる私。
すると、突然、
「っ!?」
スッと伸びてきた手が私の頬に当てられた。
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