バーで助けてくれたのはお調子者の彼。でも実は一途で、満足するまで舌で奉仕し続けてくれた… (ページ 2)
「あっ…ごめんなさい、ちょっとお手洗いに…」
トイレに行きたくなって、断ってから席を立つ。
トイレを済まして、席に戻ると、新しいカクテルが注文されていた。
「あっ…グラスが空いていたので、お好みに合いそうなのを頼んでおきました。楽しい話のお礼に、おごらせて下さい。」
「あぁ、ありがとうございます。(わー…いい人だな。) 」
頼んでくれたカクテルは実際私の好きな味で喜んで飲むと…なんだかふわふわしてきた。
(…あれ…?もう酔った…?ていうか…変な感じがする…)
「どうかしました…?」
「あっ…いえ…」
「…そろそろ出ましょうか。」
「あっ…」
戸惑う私の肩に、男が優しくだが、有無を言わさぬ雰囲気で手をかけた。
その時。
「もー!飲み過ぎだよー!大丈夫ー?!」
突然、声がして男の逆側に引っ張られた。
「きゃっ?!」
「何だ君は?!」
(佑馬君?!)
「この子の友達だよ!友達が酔って迷惑かけてごめんねー。後は俺に任せてー。」
そう言って、男にひらひらと手を振ると、
「行こ。」
なおも男が何か言うのを無視して、店の外に連れ出された。
ふらつく私を庇い歩きながら、
「危なかったよー。あれ、変な薬入れられちゃったんだよ・・・薬で、女の子もそういう気にさせて抵抗させる気なくしてヤッちゃうって手口だな。…ごめん。気付いた時には様子が変で…。もっと早く助けたかった。」
「あ…え…?………あ。」
驚いたが、事態がようやく飲み込めた。どおりで身体が…うずく。
「美奈ちゃん大丈夫…?もうすぐ表通りに出たらタクシー拾うから…。ほんと、助けられなくてごめん…」
普段ちゃらちゃらしている佑馬君が、ひどくすまなさそうにしているのが意外だ。
真面目なところもあるんだ。と見直した。
表通りに出てタクシーを拾う。タクシーが止まって、私を乗せて立ち去ろうとする佑馬君の腕を、引き寄せた。
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