危険な噂が絶えない幼なじみの家で…理不尽な未来を前に過ごす幸せな今
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危険な噂が絶えない幼なじみの家で…理不尽な未来を前に過ごす幸せな今 (ページ 1)
「花凜、二度とここには来るなって言っただろ。何しに来たんだ」
自室のベッドに座る幼馴染の潤は、金色に染めた髪を乱雑にかきむしり苛立たしそうに怒鳴る。
かなりの迫力だったが、今日の私はこんなことでは怯まない。
こっちだって、重たい決意を胸にやってきたんだから。
何日も高校を休むようになって、耳にする噂と言えば危ないことばかり。
そんな潤をこれ以上放っておけるわけがない。
「一方的にそんなこと言われたって納得できるわけないでしょ」
「俺とお前は住む世界が違うんだ、以上終了。優等生なら優等生らしく、俺のことなんて放っておいて授業に没頭しておけよ」
つまんなそうに言って煙草に火をつけるから、私は頭に来てそれを口元から取り上げた。
「ふざけないで。こんなの吸ってる暇があるなら学校に来て」
潤は私の手を掴み、唐突に当たり前のように乱暴に唇を重ね、そのまま強い力で私を抱きしめたまま耳元で囁いた。
「放っとけよ」
「放っとけるわけないでしょ」
そんな切ない声で訴えないでよ。
だいたい、放っとけるならわざわざ潤の家に来ないし、ファーストキスを無断で奪われて文句を言わないはずないじゃない。
「行ったところでどうなるんだよっ」
隠しきれない苛立ちが滲む。
ほんの数か月前のことだった、潤がとある暴力団組長の愛人の息子だと判明したのは。
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