とても優しいのにいやらしい、先生と複雑な関係 (ページ 6)
「気持ちよかったね、今日は泊まってくでしょ?」
そんな私の思いには気付かないふりをしているのか、先生はとても優しく笑う。
「ともと過ごしてると、本当に居心地がよくってさー」
擦り寄ってくる久保先生の髪の毛が私の首筋をくすぐる。
先生の本心は、わからない。
肝心な言葉は、なんにも言わないから。
「私もです」
うまく笑えているかわからないけれど、先生の目を見て精一杯伝える。
夜はどんどんふけていく。
近いけれど、近づけない。
お互いの本心は隠したままのあやふやなこの関係は、居心地の良さを感じている間は、こうやってずっと続いていくんだろう。
いつから、こんなに難しい関係になってしまったんだろう。
心地よい疲労感を感じながら、そんなことを考えて、目を閉じた。
おやすみなさい、また、明日。
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