快楽を求める貴方と偽りの愛を求める私の一夜限りの夢 (ページ 3)

“ほんと、お前だったら何でも話せるわ”

笑って言うその一言が、どれだけ残酷なものかなんて、夏樹が知るはずもないけれど

この関係が壊れることが怖い私は

“なんでも聞くよ”

そう返すことしか出来なかった。

「最近飽きたっていうか…アイツとエッチしてもイケねーんだよな。ほんと溜まるわ」

こんな愚痴をこぼすのはきっと夏樹が酔っているからで

『じゃあ…私が満足させてあげよっか?』

こう返したのは、酔っているからじゃない。

夏樹のことが、好きだから

どんな形でもいいから

夏樹に触れたかった。

「…え?」

緊張でバクバク脈打つこの音が、どうか伝わりませんように…

『どうせ終電ないでしょ?私の家、すぐそこだよ』

どうせ叶わない恋だから…

神様、こんな汚い私を、どうか今日だけ見逃してください…

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