ずっと好きだった、幼馴染みのような存在…二人の夜は緩やかに

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ずっと好きだった、幼馴染みのような存在…二人の夜は緩やかに (ページ 1)

週末の金曜日、たっぷり残業し、家に帰ってきてやっと自分の時間。

仕事は好きだ。

やりがいがある。

責任のある仕事も任せてもらっている。

同僚の独身女性たちが結婚し、妊娠して産休もしくは退社していく中、私は好んで仕事を優先している。

仕事優先とは言っても私だって結婚したい!

でも、妊娠となると話は別。

……まだ考えられない……。

風呂上がり、リビングのソファーでくつろぎ、深夜の海外サッカーの試合を見ながらアイスクリームを食べる。

お気に入りのハーゲンダッツのストロベリーだ。

両親は温泉旅行に行き、弟は部活の合宿で週末いっぱい、いない。

だらしなく足を伸ばしていても、誰にも注意されない。

心身ともに解放される。

「あーー、幸せ」

スマホが鳴った。

「これから本持ってく」

慶太からのライン。

そういえば、本借りる約束してた。

慶太とは家が隣同士の幼馴染。

家族ぐるみの付き合いで兄弟のように育ってきた。

程なくして玄関のドアが開く。

「玄関、鍵かかってねぇぞ。不用心だな。最近は変なのいるから気を付けろよ」

「慶太が来るから、さっき開けておいたんだよ」

そう言いながら振り返ると、Tシャツ短パンにメガネ(普段はコンタクトなのに)、おまけに風呂上がりなのか前髪が濡れている。

顔が上気していて、頭から湯気が見えそうだ。

そんな完全オフの風貌にドキッとした。

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