彼の死から二年。ずっとそばで支えてくれていた眼鏡男子が、突然私の手首の自由を奪ってきた。 (ページ 3)
「どうしよう……きもちいい」
私たちはどんどん夢中になっていった。重ねるだけでは足りなくなって、吸いつきあい、激しくこじあけ、最後は舌をからめあう。
「あぁ…桃香」
ぴたりと重なっている私たちは、お互いがどうなってるか判りきっていた。
「俺のこれ、ほしくない?」
青井は、かたくなったペニスを私の体に押しつけてきた。
「……やぁっ」
「俺は、桃香のここに、ぶちこみたい。俺、おまえのこと……」
「え?」
「や。なんでもない。重荷になるのはいやだ」
青井が喪服のひざをますます食い込ませてくる。
「あっ……ん」
恥ずかしい声が出た。息をのんで口を手で隠し、チェストの上の写真たてを見る。やはりどうしても、気になってしまう。
「まったく」
青井が眼鏡を外してチェストに乗せ、ついでという感じでぱたりと写真たてをふせた。
「青井……」
「これでいいか?」
こんなことをいきなり強引に始めたくせに、やっぱり青井はどこまでもやさしい。
「眼鏡のない青井、初めて見たかも」
「カッコいいか?」
「ふふふ」
「久しぶりに笑ったな」
「よかった。いつもの青井だ。怖くってびっくりしたんだから」
ぐったりと、青井によりかかる。
「おいで、桃香」
包むように抱きしめられながら、すぐそばのベッドへ誘導されていく。
――こんなに気持ちいいなんて、私、青井を好きなの?
――こんなに安心するなんて、私、青井を好きなの?
だけど、答えなどすぐに出せなかった。
「桃香。今は全部忘れて、からっぽになるんだ」
青井がやさしく、ベッドの上に私を寝かせてくれた。
それから青井の手のひらは私の服の下に入り込んできて、あっというまにブラのカップを押し上げてしまった。
「ん、あぁっ! 青井」
じんじんする先端を手の平でころがされ、指先でつままれ、かと思うと手のひら全部で揉みしだかれる。
「き‥…きもちいい…」
「もっと気持ちよくなれ」
なにも考えられなくなってきた私は、青井の言葉と愛撫に素直に反応し、くねくねと体をくねらせる。
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