午前三時。仕事帰りの彼がいつもと違っていて。溢れ出す涙を抑えきれない私に彼は…
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午前三時。仕事帰りの彼がいつもと違っていて。溢れ出す涙を抑えきれない私に彼は… (ページ 1)
あたしと櫂は付き合って半年。
特にケンカもなく順調で会えば普通にエッチするつまりラブラブだ。
今日は櫂の部屋でお留守番。
櫂は取引先のお偉いさんと接待だ。
夜中の3時も過ぎ、TVもつまらなくなって眠くなってきた。
「仕事とは言えこんな時間までかぁ~、櫂も大変だわ。」
玄関で鍵を開ける音がする。
帰ってきたっ?
すぐに玄関まで走っていく。
「あ・・・佐知・・・起きてたの?ごめんな、遅くなっちゃった」
え?なに?
抱きついたあたしの腕をやんわりとほどきながら言葉は優しいけどあたしの目は見ない。
酒臭い中に微かに櫂の香水とは違う香りがある。
言葉を失うあたしを置いて櫂は部屋に入っていく。
気のせいだよね?
後を追って部屋に入る。
「遅くまで大変だったね、水でも飲む?」
「あぁ、サンキュー」
顔はTVの方を向いている。
なんで?何があったの?
なんで顔も見てくれないの?
ペットボトルを持って櫂の隣のソファーに座る。
「はい、どーぞ。この時間になるとTV何も面白いのやってないね」
櫂は上の空で返事をしている。
酔ってはいるけどいつもと違う。
いつもは帰ってくるとキスしてくれた。
抱き締めてくれた。
いつも顔をくしゃくしゃにして笑ってくれた。
今日は顔さえも見てくれない。
なんで・・・・・・
涙が溢れて止まらない。
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