保育園児のお兄ちゃんと…一度だけの約束エッチ (ページ 6)
「え?」
聞き間違いではないようで、カイ君は私をじっと見つめてくる。
「ナルのお迎えに行く時、いつも笑顔であいさつしてくれて。受験前はがんばってって言ってくれて、すごくうれしかった…」
飲みかけの紅茶が冷めていくのとは対照的に、私の頬は熱くなった。
「付き合ってなんてワガママ言いません。せめて、一度だけ、僕のものになってくれませんか」
カイ君の言葉の意味を理解した瞬間、頬どころか全身の温度が上昇する。
「いや…そんな…」
「嫌、ですか?」
「嫌ではないけど…」
むしろ、嫌だと思っていない自分が情けない。大人として、しっかりと断らないと。
「私はカイ君にふさわしくないよ。もう、おばさんの部類だし。ほら、保育士って膝とかくるぶしとか黒いしさ。もっと素敵な子の方がいいって」
「嫌です!リコさんじゃなきゃ…」
涙目で睨むように見つめられると、逆らえなくなってしまいそうで怖い。私は慌てて視線を逸らそうとした。
けれど、できなかった。
「一度だけ…そしたら、諦めますから」
縋る視線はどこか甘く、私の体の奥を上手にくすぐる。
「本当に、一度だけだよ?」
ダメだと分かっているのに、口が勝手にそんなことを言ってしまった。
「約束します」
嘘のない瞳。一度だけなら、私を求めるカイ君に応じても、きっと許される。
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