「好きなだけ、いかせてあげますから」下着専門店の店員さんに崩れ堕ちる程の― (ページ 2)
「澪衣様、ジャスミンティーはいかがでしょうか?」
「あ、はい。頂きます」
「かしこまりました。少々、お待ちください」
微笑みを絶やさない茉緒利に、少しずつ澪衣の緊張が解けていく。
「どうぞ」
グリーンがかったソーダガラスのコップの中、氷がからんと鳴った。
冷たいジャスミンティーが、澪衣の渇いたのどを潤す。
「澪衣様は、ブラジャーをご希望でしたね?」
「はい」
「サイズアップよりも、姿勢を良くされたいとメールで伺っておりますが」
「はい…わたし、ずっと猫背で…」
澪衣はおずおずと自分の願いを口にした。
「自分に自信がなくて、猫背になっちゃうっていうか…猫背だから余計に暗くなるというか…」
言っているうちに自分が情けなくなり、澪衣は涙をこぼした。
「自分なんか、誰からも愛されないんじゃないかって思うんです」
「そうですか。澪衣様はとても可愛い方なのに、もったいないですね」
茉緒利の白い手が頬に触れる。
優しく涙を拭う指に、澪衣は甘い吐息を漏らした。
「大丈夫ですよ。私に任せてください」
その言葉に、澪衣は静かに頷くことしかできない。
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