「コーチもたまには一緒に泳ごうよ」夜のプールに引きずり込まれて熱くなるのは… (ページ 3)

「美咲が責任をもって鍵をかけてくれるなら残ってもいいよ。」

突然後ろから声が聞こえた。

声の主はここの支配人。

ニコニコしながら私たちを見ていた。

「亮君の頑張りは小さい頃から見てるからね。もう少しだけだったらいいよ。」

それだけ言って支配人は帰っていったーーー。

「一緒に残しちゃってゴメンね。」

亮がものすごい笑顔で私に言ってきた。

全然悪いと思っていない顔だ。

「はぁ。ホントだよ…。こうなったら厳しくいくからね。」

私がそう言うと亮はニッコリ笑った。

それから一時間。

亮はひたすら泳ぎ続けていた。

頑張ってはいるが、どうしてもイイタイムが出ない。

「亮。そろそろ少し休もう?」

声をかけるが亮は上がってこない。

頑張っているのは分かるが、あんまり無理をして体を壊したら意味がない。

今度は亮の近くまで行ってから声をかけた。

「亮!一回休憩しよう!」

私が言うと突然彼が目の前に顔を出した。

「コーチもたまには一緒に泳ごうよ。」

そう言ってニッコリと笑った彼は、そのまま私を引きずり込んだ……。

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