夫ともう一人の男に身体を弄ばれるハードな夜。休む間もない激しい責めに、喘ぎ声も掠れてしまう。朦朧とした意識の中、私は……。 (ページ 3)
「一人じゃ足りないくらい寂しかったんだろ?」
「確かにずっと一人で寂しかったけど、そういうことじゃないわよ」
「俺は寂しかったよ。そんなハードな夢は見なかったけど……そうだな、もし夢に麗香が出てくるなら、三人くらい出て来てほしいな」
麗香の視線が、すぅっと冷えていく。
「その三人の私と、何をするつもり?」
「そんなの決まってるだろ」
真介は意味ありげにニヤリとする。
「お前が見た夢と同じことさ……あっ、待て。下げるなっ」
ビールとつまみの皿が下げられそうになり、真介は慌てた。
「嘘、冗談だって!麗香さまは一人で充分です!」
「当然よ」
ツンとしたまま、麗香はビールとつまみを真介の前に戻した。
すると、その手を真介に引かれて、麗香は腕の中に収められた。
彼のぬくもりと懐かしい匂いに、麗香の胸が高鳴った。
抱き締められ、麗香も抱き締め返す。
「お前も、俺は一人で充分と思うくらい、今夜は楽しもうな」
「うん……」
麗香が頷くと、ブラウスの中に真介の手が入ってきた。
背中を撫でられて、ぞくりとする。
「麗香のぬくもりだ……」
「ちょっと、まだごはん支度の途中……」
「ごめん、止まらないかも」
え、と驚いた時には、麗香は真介に顎をすくい上げられてキスをされていた。
先ほどまで飲んでいたビールのほろ苦さが移ってくる。
「ん……ふぅ……」
真介のキスは深く、麗香は次第に息苦しさを覚え始めた。
少しだけ顔をずらすと、麗香の唇は開放された。
真介の目は、もう情事の時の色に変わりつつある。
麗香は、この目にとても弱い。
困ったことに、身体も反応してしまう。
けれど、今夜のメニューは気合の入ったもので、ここで身を委ねてしまったら台無しになってしまうのである。
麗香は身体の欲求を何とか押さえ込んで、真介から離れた。
「今日は、とてもおいしいはず……だから、待っててね」
顔を赤くしてしどろもどろになってしまった麗香に、真介は軽く吹き出した。
ベッドで真介に触れられた時、麗香ははっきりと、これが現実だと実感した。
真介、と名を呼び、麗香も彼に触れる。
温かい。
ただ快感に翻弄されていただけの夢の中とは、明らかに違う。
麗香の秘部は、すでに受け入れる準備が整っていた。
真介の指をすんなり飲み込む。
「もう入れてほしいんだ。いいよ……俺も、麗香がほしいから」
あの夢と同じセリフに、麗香はドキッとして真介を見つめた。
彼の顔に触れて、現実であることを確かめる。
「どうした?」
「ううん、夢の中と同じことを言うから、びっくりしただけ」
「へぇ。夢の中の俺は、どんなふうだった?」
「どんなふうって……」
「ちょっと嫉妬するな」
夢だから、と麗香が言う前に、硬い肉棒に貫かれた。
「そんな夢、もう思い出させないようにしないとな」
グッと突き上げられた麗香の全身に、甘くしびれるような快感が走る。
「実は、俺も麗香の夢を見たんだ。夢の中のお前は……いや、やめておこう。夢は夢だ。今のお前には敵わないよ」
麗香は、こくりと頷いて微笑んだ。
その夜、二人は夢のことなど忘れるくらいに激しく求め合ったのだった。
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