家出した私を捕まえたのは意地悪な幼馴染。私は援助交際を疑われて…… (ページ 2)
「ごめんなさい……」
ネカフェから少し離れた人通りがない小道で、私はハンカチとお会計分のお金を一緒に差し出した。雅人君は嫌な顔をする。
「いらねぇよ。……それよりお前、さっきラブホ街うろついていただろ。お前の母親から『ウチの娘知りませんか』なんて朝から聞かれたから嫌な予感はしていたけれどよ……後ろ付けて来て正解だったわ。……何しようとしていた」
「……私、高校辞めて働こうと思って……。住み込みで働けそうなところ探してた」
私の家は父と義理の母と義理妹の四人家族。若干複雑な構図の通り、家族の中で私だけが浮いている。血の繋がりがある父ですら、私の存在を鬱陶しがっている。最近の口癖は「早く家から出て行け」だ。
自分がしていることが凄く惨めなのはわかっていた。
でも、あの家を出るためにはどんな仕事をすることになってもいいと思った。
それを知り合いには――雅人君には、見られたくはなかったけれど。
「……ふざけんなよ」
低い声に心臓が跳ねる。私は何とかしてこの場から逃げようとした、けれど、ぐいっと手首を掴まれて抱き寄せられる。そして
「んっ……!」
顎を取られて、かさついた唇が重ねられた。
驚いて身体が固まる。突き飛ばそうとしたけれど、厚い胸板はびくともしない。
「んんっ! むぅ……んっ!」
重ねられた唇から、ぬるりと口内を舌がまさぐる。
息ができない程きつく舌を吸い上げられ、歯をなぞられると全身にぞくぞくと痺れが走った。
「むっ……ふぁ、はぁはぁ……」
やっと解放されたとき、酸欠で頭がくらくらする。
正常じゃない思考回路で、どうして、と、なんで、という疑問ばかりが廻る。
「そんなに帰りたくないなら、いいぜ。俺の所に来いよ」
雅人君はきつく私の手首を掴むと、私の返事も聞かずに呼び止めたタクシーに乗り込んだ。
*
「ふ……はぁ……! 嫌、いやだよ雅人君!」
雅人君はマンションにつくやいなや、扉を後ろ手で占めると私を床に押し倒し、再び貪るように唇を重ねる。
そして自身のネクタイを私の両手首に縛りつけた。
「……チッ! こういうことする仕事につく気だったんだろ? 俺とするのはそんなに嫌かよ……ッ!」
ぎゅうっと容赦のない拘束に恐怖心が加速する。タクシーに乗っている間も、ずっと握られていた手首は既に赤くなっていた。
恐いのに、逃げたいのに。
唇を吸われ、食まれ、顔を背けようとすれば固定するその手は優しくて……ざらざらの舌に何度も舐られると、腰が揺れちゃうくらい気持ちいい。
――ぴちゃっくちゅくちゅ……
互いの舌が絡まり合う嫌らしい水音が玄関に響く。
キスに夢中になっていると、雅人君は片手で私を拘束したままスカートの中に手を忍ばせてきた。
「きゃっ……だめ、だめそこはぁ!」
足をばたつかせて抵抗したけれど、悲鳴は再び唇で塞がれてしまう。
太腿をこじ開けるごつごつした掌は、下着越しにやわやわと恥丘をなぞる。
誰にも触られたことがないそこは……雅人君の体温で擦られると、むずむずと何とも言えない感覚が芽生えるのを感じた。
「へぇ、ここはだめなのか。じゃぁ上からだな」
雅人君はにやっと笑うと、今度は私のパーカーをまくり上げ、ぐいっとブラをずらした。
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