血の繋がりがない妹の秘密を知った兄の勝手で切ない愛情 (ページ 4)

「えっ…あっ…や…ぁ…っ!」

 沙耶は足を閉じて、俺の頭を挟み込んだ。

 彼女の腿の、その感覚が心地よかった。

 バイブオナニーで勃起したクリトリスを思い切りしゃぶり、滴る愛液を舐め取りながら、気付かされた。

 沙耶が初めてこの家に来た時から、こうしたいと思っていたこと。

 妹なんかじゃなければ、もっと自然に接することが出来たかもしれないこと。

 自分でも知らないうちに、妹を女性として見ていたことを自覚して、愕然としながら、それでも俺は、沙耶の秘所にむしゃぶりついていた。

「はぁん…っ!あぁん…!やめて…ぇ…。感じすぎ…ちゃう…っ」

 どこまでも感じさせたかった。

 愛する女性にするように、何度でもイカせたかった。

 でも、血の繋がりがなくても、俺たちは兄妹だ。

 挿入して、彼女のことを『兄に犯された女』にはしたくなかった。

 本心では、普通の恋人のように、沙耶を抱きたかったし、抱きしめて欲しかった。

 でも、それは、かなわない。

 それなら、せめて…。

 そう思った結果が、今、この瞬間なのかもしれない。

 兄に犯された女と、兄にイカされた女…か。

 何がどう違うのか、俺にはよく分からない。

 けれど、沙耶の足の間に顔を埋めている今、感じているものは、何なのだろう。

 何故、こんなにも、胸を締めつけるのだろう。

 沙耶は、体を震わせて、俺の舌で感じている。

 感じすぎちゃう、と繰り返しながら、体を捩り、喘いでいる。

「あぁっ…!だめぇ…っ!またイッちゃう…ぅ!」

 (いいんだよ…。)

 胸の中でそうささやきながら、俺は、彼女のクリトリスに吸い付き、愛液をすすり上げる。

 何がよくて、何が悪いのか、俺にももう分からない。

 ただ、バイブでオナニーするほど、性に飢えている沙耶が満たされるなら、それでいい気がしていた。

 俺が、彼女を、犯すことがなければ。

「イクっ…イクぅ…っ!」

 びくびくと体を震わせて、沙耶は2度目の絶頂に達した。

 虚ろなまなざしを空にさまよわせ、ぐったりとベッドに倒れてしまった。

「クリトリスだけで、イッたの?沙耶は感じやすいんだね。毎晩、バイブで何回もイッてるんでしょう。今夜は、徹底的にイカせてあげる」

 続けざまにイッたせいか、頭がぼんやりしているらしい。

 あなたの言葉の意味が解らない、というような表情だ。

 そんな沙耶の耳元で、ささやく。

「今日からしばらく、親父もお継母さんもいない。オナニーするぐらいなら、俺がイカせてあげるってことだよ。沙耶の大好きな、バイブでね」

 沙耶を犯したくはない。

 でも、いやらしい姿を見たい。

 それが、彼女の兄という立場になってしまった俺に出来る、ぎりぎりのところなのかもしれなかった。

 情欲という名の熱に浮かされて、長い夜が過ぎていった。

 禁じられた情熱を掻き立てられた俺たちは、この日から、もう普通の兄妹には戻れなくなった。

-FIN-

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