気になる彼と一緒に観た恋愛映画の結末と私の恋の結末 (ページ 2)
「……詩織ちゃん、大丈夫? 少しは落ち着いた?」
「うん……ごめんなさい、ちょっと楽しくて自分の限界を忘れてたかも……」
「楽しんでくれてたならいいよ。でも、どうしようか……終電もないし。タクシーで帰る?それとも……」
また、彼の言葉の続きがわかる。
居酒屋で話しているときに、彼は自分の家が近くにあると話していた。二人きりでお酒を飲んだ夜、終電を逃した女の子は相手の家に泊まって告白される――今夜観た映画がそういう内容だったことを思い出す。ここで私が彼の部屋に行けば、映画と同じ未来を歩めるだろうか。
私はためらいなく、彼の家に行きたいと伝えたのだけど――
「……詩織ちゃん、もしかして酔いがさめてきた?」
彼の家の玄関に足を踏み入れたところで、私の下心はバレてしまった。
「顔は真っ赤だけど、お店で潰れてた時と表情が違う気がする」
「……っ」
火照った頬を、彼の大きな手のひらが包み込む。目をギュッと固く閉じても、彼が顔を近づけてくる雰囲気が伝わってきた。
「映画の内容があんな感じだったせいか、詩織ちゃんが家について来てくれたこと……俺はすごい期待してるんだけど……」
そう言って、ゆっくりと確かめるように唇を重ねられる。柔らかい感触にドキドキと胸を高鳴らせながらも、私はまだ酔っているふりを続けるべきか悩んでいた。しかし……
「ねぇ、俺勘違いしてる? 酔ってるなら、これ以上は手を出さないから。ちゃんと教えて」
彼もアルコールが入っているせいか、言葉の端々に熱がこもっている。
不意に顔を見たくなって目を開けると、私に負けないくらい頬を真っ赤に染めた彼がいた。彼には元々好意を抱いていて、不意に訪れたチャンスに舞い上がった私は、お酒の勢いでもいいなんて思っていたけれど……
……こんな顔をされたら、私も素直に言うしかない。
「か、勘違いじゃないよ……ごめん、恥ずかしくて言い辛かった……」
頬に添えられていた彼の手が、ぴくりと震えた。
「本当? ……よかった」
私が返事をする前に、手のひらに力が込められて顔を引き寄せられる。先ほどの気持ちを確かめるような優しいキスとは違う。熱っぽい、貪るようなキスをされた。
分厚い舌に歯列をなぞられて、顎の裏をくすぐられる。背中がゾクゾクと震えて背後のドアに寄り掛かると、彼は私の腰を支えるように手をまわした。
下半身が密着して、彼の股間が熱を持っていることに気付く。ペニスがスーツを押し上げるほど自分に興奮してくれているのだと思うと嬉しくて、思わずそれに手を伸ばしていた。
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