気になる彼と一緒に観た恋愛映画の結末と私の恋の結末

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気になる彼と一緒に観た恋愛映画の結末と私の恋の結末 (ページ 1)

週に一回、金曜日の夜。

仕事終わりに一人でレイトショーを観ることが、最近の息抜きだ。

今回選んだ作品は、少し前話題になっていた大人向けの恋愛映画。

客入りのピークがすでに過ぎているのか、空席が目立つ。前後左右の席に人がいないので、気楽にのんびりと観ることができそうだと思っていると――

「……詩織ちゃん?」

不意に隣の席に近づいた客が、私に声をかける。

「えっ……あっ、孝之くん!」

薄暗い照明の下、顔を見上げると隣の課の男性社員が立っていた。

一度合同の飲み会で隣に座ったことがあり、お酒を飲んだ勢いと、彼が人懐っこい性格だったおかげで、私にしては珍しくお互いを名前で呼び合う関係。その後は同じ飲み会に参加することはなかったけれど、廊下で会うたびに笑顔で挨拶をしてくれるので印象は良い。できたらまた、ゆっくり二人で話したいと思っていた相手で――

「こんなところで会うなんて思わなかった。孝之くんも映画好きなの?」

左隣に座った彼に身体を寄せて、小声で話しかける。

ほんのりと香水のいい香りが鼻をくすぐった。

「うん。でも最近忙しくて、映画館で観るのは久しぶりかな」

「そうなんだ……私は毎週観に来てるんだよ」

「毎週かぁ……そうだ、よかったら映画が終わった後に――」

彼の言葉の途中で、上映の開始を知らせるブザーが鳴り響き会話が中断される。私の自意識過剰でなければ、恐らく誘い文句が続いたはずだ。

映画を観ている間も、彼の言葉の続きが気になって仕方がなくて――

「いやぁ、面白い映画だったね」

「そ、そうだね……あの、さっきの話の続きだけど……」

「……あっ、ごめん途中だったか」

二時間の映画が終わり何食わぬ顔で話しかけてきた彼は、上映前に呟いた一言を、私がずっと気にしていたことに少々驚いたようだ。

「映画を観た後って誰かと話したくなるからさ、よかったらこの後飲みにいかないかなって……どう?」

「うん、行きたい! 私も話したいことがたくさんあるの」

がっついているようで恥ずかしいけれど、期待通りに誘ってもらえた私は小躍りする気持ちを隠しきれない。恋愛映画を観た夜に、気になっていた相手と二人っきりで過ごせるなんて、テンションが上がるのも仕方がないことだろう。

しかしその結果、私は彼に案内された居酒屋で少し飲み過ぎてしまったのだ。

――店から出た後、彼は心配そうな顔をして私の肩を抱いている。

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