「早くこうしたくて…仕事を終わらせてきた」温もりに包まれ輝くシルシ
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「早くこうしたくて…仕事を終わらせてきた」温もりに包まれ輝くシルシ (ページ 1)
目を覚ますと、体が少し痛かった。
ソファで眠ってしまったから。
部屋の時計を見る。
終電はとっくに終わっている。
『仕事でトラブルがあった。ごめんね。今夜遅くなるか、帰れないかも』
モバイルにそんなメッセージが届いてから、もう数時間。
准のうちで、一緒に過ごすはずだったクリスマス。
でも、しょうがない。
今頃、准は、会社でトラブルの対応に追われてるんだ。
料理もプレゼントも、明日…もう今日だけど。
そう、翌朝でもいいんだ。
分かってる。
でも…
「早く、帰ってきて」
自分に言い聞かせるけれど、気持ちは悲しくなるばかりで。
もう一度クッションに顔を埋めた。
その時だった。
玄関から聞こえた、鍵を開ける音。
聞き間違いじゃない。
慌てて体を起こした。
「ただいまー」っていう疲れたような声。
「准…」
夢じゃないんだよね…?
何も考えずに、走り出す。
誰よりも会いたかった人の、コート越しの胸に飛び込んだ。
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