再テスト後の教室で…一途でちょっぴり策士な彼からの告白

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再テスト後の教室で…一途でちょっぴり策士な彼からの告白 (ページ 1)

放課後の教室。開け放した窓から、初夏の匂いのする風と部活動に励む生徒達の声が入ってくる。

「郁也くんが再テストなんて珍しいね。まぁ、小テストだから成績にそこまで影響しないんだけど…何かあった?」

高校2年生の郁也は、古典の担当教師で26歳の凛と共に今日の授業で行われた小テストの再テストを受け、その後机に向かい合う形で話をしていた。

成績優秀でスポーツ万能、試験は毎回学年上位に入る程で、バスケットボール部でも2年だが3年の先輩に混じり試合で活躍している。

そんな郁也が再テストなんてどうしたのだろうと少し心配をする凛。

郁也は少し困ったような寂しそうな表情で、解答用紙から凛に目線を移した。

「……凛先生と一緒にいられると思ったから…」

凛の目を見て、郁也は言う。メガネの奥の大きな切れ長の目が凛を捕える。

「…え?どうゆう…」

「冗談ですよ。ただちょっと最近試合前で部活に力入れ過ぎて、昨日は家帰ってご飯食べてから休憩してたら寝ちゃいました。」

さっきの表情が嘘みたいに、郁也はくしゃっと笑う。

「そ、そういうことね。あんまり無理しちゃダメだよ?」

自分の表情が曇ったのが分かって、急いで表情を作り直す凛。胸がキュッと締め付けられるような感覚が凛を戸惑わせる。

「…凛先生、やっぱそれ嘘です。先生といたかったんです。」

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