憧れのミュージシャンと堪能する一夜限りの甘い関係
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憧れのミュージシャンと堪能する一夜限りの甘い関係 (ページ 1)
『偶然が重なって、ショウゴの行きつけのバー、どこかわかったよ。でも、アイツ本当に女癖悪いからくれぐれも気を付けて』
音楽業界で仕事をしている親友の絵里から、そんな情報を聞いたのは29歳、結婚目前まできていたのに、破談になってしまい自棄になっていた時だった。
時間を持て余していた私は、毎晩のようにそのバーに入り浸り、一週間後にはすっかりマスターと顔なじみになっていた。
「マスター、珍しく楽しそうじゃん」
その夜も、マスターおすすめの青い色のカクテルを飲んでいたら頭上から不機嫌そうな声が聞こえた。
ラジオやテレビ、ライブ会場で何度も耳にしたことのあるその声に、ドキンと胸が跳ねたが顔をあげることが出来なかった。
「いつも楽しくお仕事をさせていただいていますよ。お久しぶりですね、ショウゴくん」
「レコーディングで揉めちゃっててさ。いつものことだけど。あーあ、早くライブやりてぇなー……」
ぼやきながら、私が大好きなバンドのボーカルであるショウゴが、隣の席に腰を下ろした。
金色に染められた髪は、思ったより痛んでなくて綺麗だった。
「どうも、はじめまして」
「――あ、はじめまして――」
私を見つめるショウゴの眼差しに、声が上擦り、脈が早まる。
それでも、ショウゴはそんな些末を気にする様子もなく、初対面の私とフレンドリーに話をはじめてくれた。
楽しく飲んで、会話を重ねて――。
どこをどう間違ったのか、気が付けばショウゴと二人でラブホテルの一室に居た。
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