過去の恋に傷ついた私。素敵な彼の優しい言葉と愛撫で緊張がほぐれていって… (ページ 2)
「彩樹……抱きたい」
そして横から抱きしめられた。
「いい……?」
彩樹の耳が悠人の唇に軽く食まれた。
急に恥ずかしくなった彩樹の頭の中は混乱して、言葉が出なかったけれど頷いた。
抱きかかえられて寝室に移動し、ベッドの上にそっと仰向けに置かれた。
悠人の顔が近づいてきて、彩樹と唇が重なった。
「んっ……」
舌が入ってきて、口腔内を嬲られる。
いきなりの深くて激しいキスに翻弄された彩樹は、呼吸を忘れてしまっていた。
こんなキスしたことがない。
ようやく唇が離れて、彩樹は思いっきり酸素を吸い込んだ。
「初々しいな」
穏やかな笑顔を見せてくれる悠人に、彩樹の胸が高鳴った。
自分が処女だって言った方がいい。
きっと重いと思われるだろうけれど、すべてが終わった後に嘲られるよりは心の傷が軽いように感じた。
「こんなキス……したことないし、それにあたし……前に失敗してるの」
「え?」
「大学のときに付き合った人と、その……こういうことになったこと、あるけど、痛くて痛くて最後までできなかったの」
悠人に顔を見られたくなくて、彩樹は腕で自分の顔を隠した。
「それ以来、怖くて……」
こんなに自分に優しくしてくれる人に、黙っているなんてできなかった。
「そうだったのか」
彩樹の顔を隠している手に、悠人の手が触れた。
「怖がらなくていいよ。顔を見せて」
彩樹はゆっくり、両手を自分の顔の横に置いた。
悠人の優しい微笑みが視界に入って、胸の奥が熱くなって涙が目尻から流れ落ちた。
「泣かないで。俺は嬉しいよ」
そう言いながら悠人の指に涙を拭われる。
「嬉しい……?」
蔑まれると思っていた。
黙っていたのだから。
けれど悠人は彩樹の問いに頷いた。
「怖いって思っても、それを乗り越えようとしてくれるんでしょ。だから今、ここにいる」
彩樹は頷いた。
「優しくしたい。いくら俺でもあんまりお預けされると余裕なくなる。もう……いいかな」
悠人の手に、彩樹の左手が取られて、薬指に口づけされた。
プロポーズされてるみたい。
彩樹はもう一度、頷いた。
悠人がまた、彩樹の唇を塞いだ。
「んっ……」
舌が口の中に入ってきて、彩樹の中を愛撫する。
今度は彩樹も、たどたどしい動きであったが悠人に応じた。
もう、怖くない。
唇が離れると、悠人は彩樹の服を脱がしていった。
恥ずかしさでどうすればいいのかわからない彩樹は、されるがままだった。
彩樹の服を脱がせると、悠人は自分の服も脱ぎ捨てた。
彩樹はちらりと悠人の体に目をやった。
鍛えられている体は、女性の自分から見ても美しいと思った。
悠人の体の中心にある男性器に視線が行き、彩樹は息を呑む。
そこはたち上がっていた。
互いに一糸まとわぬ姿になり、彩樹は悠人に抱きしめられた。
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