「可愛いだけで終わらせないで」思い出を塗り替えるオトナの再会 (ページ 9)
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落ち着いてみると、あまりの恥ずかしさに、私は布団に潜りこんでしまう。
「やだ、私、なんで…」
「俺はすごい興奮したけど?」
「…っ、そういうこと言わないで!恥ずかしいから!」
「菜々子、可愛い」
そう言って、布団ごと抱きしめられる。
もっと思いきり抱きしめてほしくなって、ひょこっと布団から顔だけ出してみる。
すると、すぐさま額や頬にキスの嵐が降った。
「やっ、くすぐったい!」
「じゃあ、気持ちいいキスにする?」
にやりと意地悪そうに笑う彼に、思わず先ほどまでの情事を思い出してドキリとした。
思い出の中の彼は、いつも優しそうな笑顔ばかりだ。
こんな意地悪な彼を見るのは初めてかもしれない。
けれど、優しいばかりの『お兄さん』より、その方がずっと近くにいる気がした。
年下の『女の子』だった私は、彼の中でどう変化したんだろう。
少しは大人の女性らしくなったのかな、と思いながら、彼の唇を少し舐め上げた。
「さぁ、どうぞ?」
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