酔っ払った私は、憧れの先輩に優しく介抱されて・・・偶然訪れた甘く濃密な時間。

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酔っ払った私は、憧れの先輩に優しく介抱されて・・・偶然訪れた甘く濃密な時間。 (ページ 1)

今夜は、以前から憧れていた藤井さんと一緒に幹事を任された会社のお花見だった。

この1ヶ月は楽しかった。会場や食事の手配で、藤井さんと2人で過ごす時間が増えたから。

2人で協力して準備したお花見。当日はきっと盛り上がるはず・・・。

そう信じていてたのに・・・。

宴席で酔った部長にスリーサイズを聞かれて、最悪な気分だった・・・。

だけど、私が嫌がっていることに気づいた藤井さんは、さりげない冗談を言って、部長の気を逸らせてくれた。

「部長・・・僕のスリーサイズはですねぇ・・」

それとなく私を庇ってくれた藤井さんの行動が嬉しくて有頂天になった私は、お酒を飲みすぎてしまった。

藤井さんが心配そうに声を掛けてくれる。

「琴野ちゃん、そんなに呑んで大丈夫?」

「藤井、琴野ちゃん、送っていってやれよ。」

「そうだな。」

お花見が終わって、会社の同僚たちが次々と帰宅する中、藤井さんに介抱された私は、公園のベンチに腰掛けた。

「少し休んでいこうか。」

そう言うと藤井さんは、近くにあった自販機でペットボトルのお茶を2本買って、私の隣に座った。

「はいっ。これを飲んで、酔いを覚まして。」

笑顔でお茶を手渡された私は、急に手を繋ぎたい衝動に駆られて、隣に座っていた藤井さんの手をぎゅっと握った。

「あはは・・・。琴野ちゃん、完全に酔ってるねぇ。」

藤井さんは少し照れくさそうな素振りを見せながらも、私の手をしっかりと握り返してくれた。

「今日は、帰りたくないです。このまま朝まで藤井さんと過ごしたい。」

「あははっ・・・。琴野ちゃん、大分酔ってるねぇ。」

「酔ってるからじゃありません!!私、前から藤井さんに憧れてたんです。今夜も、部長から庇ってくれて・・・。だから、藤井さんと、朝まで一緒にいたい。」

「琴野ちゃん、本気?」

「・・・本気です。」

「・・・でも、今日は帰った方がいいんじゃない?駅まで送って行くよ。」

そう言って、立ち上がった藤井さんに、私は背中から抱きついた。

「嫌です!!」

「・・・参ったな。」

藤井さんは、困ったような表情を浮かべると、振り返って私の肩を抱いた。

「俺も琴野ちゃんのこと、好きだよ。花見の準備も、細かいことまで気を遣って手配してくれて、助かった。だから、深い関係になる時は、きちんとした形で・・・って、琴野ちゃん!?」

 藤井さんの告白を聞き終わる前に、私は彼の腕の中に倒れ込むように意識を失った。

 目を覚ますと、そこは見知らぬアパートのベッドの中だった。

 「お!!目が覚めたかい?」

 藤井さんが水の注がれたコップを持って、部屋に入ってきた。

 「藤井さん、私・・・・。」

 「ここ、俺のアパート。琴野ちゃん、酔っ払って、急に俺に告白したかと思ったら、そのまま眠りこんじゃうんだもん。」

 「・・・ごめんなさい。」

泥酔した私は、藤井さんに告白したあと、彼の腕の中で眠ってしまったのだった。藤井さんがアパートに連れ帰ってベッドで休ませてくれていたのだ。

初めて好きな人の部屋に来たのに・・・ベロベロに酔っ払っていた自分が、恥ずかしくなった。藤井さんは、そんなことを気に留める様子もなく、コップの水を手渡してくれた。

 「酔い、冷めた?今日は、もう遅いから、泊まっていきなよ。俺は、床に布団敷いて寝るから。」

「そんな・・・悪いですよ。」

 「・・・っていっても、この時間じゃ電車ないよ。」

 ふと時計を見ると、深夜1時を回っていた。

 「えっ!!こんな時間!?本当に、ごめんなさい。」

 「あははっ・・・。琴野ちゃん、珍しく飲んでたからねぇ。ちょっとでかいけど、俺のパジャマ貸すから、着替えなよ。」

 青いチェックのパジャマを手渡した藤井さんが部屋から出ていくと、私は幼い子どものようにはしゃいだ。

 (どうしよう!!藤井さんの部屋に泊まることになっちゃった!!)

 思いがけない幸運に胸の高まりを抑えきれず、藤井さんのパジャマを胸元でギュッと握りしめる。

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