一年越しの告白でドSな機長に全てを支配されるリベンジバレンタイン

憧れのCAになって二年。

私は何度かフライトで一緒になったことのある、甘いマスクにうっとりするほどの低い声を持つキャプテンに恋をした。

真面目で紳士、誰からも信頼される素敵な人。

若くして機長に昇格するほどの彼。

当然のように女性人気は断トツで。

私なんかが釣り合うわけないと思ってた。

去年のバレンタインだって・・・

「結局渡せなかったし。今年も・・・ダメかも・・・」

あれから一年経った今日、また同じことを繰り返すのだろうか・・・

キャプテンは朝から社内中の女性たちに囲まれていて、臆病な私は側に近寄ることさえ叶わない。

これから最終便のフライトだというのに、未だチョコレートは私の手の中・・・

「もう間に合わない・・・」

今年も諦めよう・・・

そんなことを考えながら臨んだミーティングで、思いもよらない奇跡が舞い込んだ。

「本日最終便は機長が体調不良のため、変わってスタンバイの国仲キャプテンが搭乗します」

「えっ？」

機長が・・・国仲キャプテン？

これは神様が私にくれた最後のチャンスかもしれない。

そう思った私は、去年とは違う手作りのチョコレートをキャリーにしまい、祈るような気持ちでキャビンへと向かった。