ずっと好きだった隣のお兄さんと再会。雨に濡れた私は… (ページ 2)
「それにしてもビショ濡れじゃん。タオル…じゃ無理そうだな。ちょうど風呂沸いたんだけど入ってく?」
「わ、悪いよ!」
「そのままだと風邪ひくだろ?それにほら…その、透けてるし」
真兄が言いづらそうに言葉を濁し、視線をそらしている。
何気なく自分のブラウスに目をやると、そこにくっきりと浮かび上がるピンクのブラ。
「きゃっ!!」
思わず胸元を隠してしまう。
「ワリィ!見るつもりなかったんだけど。とにかくさ、体も冷えてるだろうし、入ってこいよ」
「…ありがと」
お言葉に甘え、お風呂を借りることにした。
シャー…
シャワーを当てると、体が温まっていく。
温まってくると、これが現実なのだと実感してきて口元が緩む自分がいた。
真兄が帰ってきた…
そう、あたしは物心ついた頃からずっと彼のことが好きだったのだ。
その時、
「ゴメン。シャンプー切らしてるよな?これ新しいやつ」とドアの隙間から手が伸びてきた。
「ありがとう~!」と手を伸ばしかけた瞬間、
ツルッ
床に滑り、ドアの外にいる真兄に抱きつく形で倒れこんだ。
「アイタタタ…」
まだ現状を理解してないあたしに、下から見上げる真兄が言った。
「…誘ってんの?」
「…え?」
頭で全てを理解した瞬間、顔から火が出そうになった。
慌てて真兄から離れ、自分の体を抱くようにすると、バッ!と後ろを向いて体を隠す。
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