ずっと好きだった隣のお兄さんと再会。雨に濡れた私は…

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ずっと好きだった隣のお兄さんと再会。雨に濡れた私は… (ページ 1)

ザーーー…ッ

ビシャッ!ビシャッ!

跳ねる泥を鬱陶しく感じながら、水たまりを駆けぬける。

「…あ~濡れた~…」

まさかこんな近距離でいきなり夕立ちだなんて。

髪の毛から滴る雫が服に落ち、身震いしたところで、

ガチャリ。

突然後ろのドアが開いた。

「…由貴?」

「真兄?」

5年ぶりの再会だった。

「どうした?こんな雨の中」

「あ…これ、回覧板」

「なんだ、そんな急がなくてもよかったのに」

「いや、あとね、うちのお母さんが作った煮物なんだけど…今日おばちゃんいる?」

「わざわざ悪いな。だけど母さんたち今大阪旅行中。明日までいないんだよ」

「なんだ~そうだったんだ。お母さんがさ、煮物良い味付けに出来たから、持っていけってうるさくて」

「そういうことか。由貴んちの母ちゃん料理上手いもんな。サンキュ。

まぁ上がれよ。俺しかいなくて悪いけどさ」

「そんなことないよ。おじゃましまーす」

真兄の家に上がるの久しぶりだなぁ。

そう、小さい頃は頻繁に来ていた。

真兄とはご近所さんで特に母親同士が仲良い。

だからか、あたしも5歳年上の真兄とよく遊んだりしたものだ。

でも真兄は大学卒業と共に上京。

真兄がいなくなってからはいつも要件だけ伝えて、この家に上がることも自然となくなっていた。

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