政略結婚をした年の離れた2人。それぞれ公認で夫は愛人、妻は彼氏を作っていたが・・・
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政略結婚をした年の離れた2人。それぞれ公認で夫は愛人、妻は彼氏を作っていたが・・・ (ページ 1)
月に2回、結婚した旦那が必ず出張と言って家を空ける。
結婚した時からの決まり事。
2人は、お見合い結婚。しかも、親からどうしてもと頼み込まれてしたお見合いだった。
両親は会社を経営していたが、傾きかかっていた時のお見合いだった。
瞳は会社のためにお見合いをし、結婚をした。
旦那の名前は悟。悟は、両親の会社の取引先の会長の息子。つまり今は社長の地位にいる人。
年齢は私よりもずっと上だったが、初婚だった。
結婚するときに言われていた。
『月に2回家を留守にします。その時はあなたも好きに過ごしてください』
『それは、出張か何かですか?』
『そうですね・・・出張ということにしてください』
直観的に女だと思った。
瞳にも結婚前から同い年の付き合っていた人がいた。
その話を聞いた時、彼とは別れる必要はないのだと思った。
むしろ、『あなたも好きに過ごしてください』の意味合いはそういうことなのだと思った。
会社同士の結婚、変わったスタイルの夫婦生活。
夫婦生活といえば、2人の中で、性生活というものは、あまりない。
月2回で解消されているとは思えないが、瞳を抱く行為は月に1~2回、あるかないか。
それも、ほぼ、悟がその気になった時、瞳は有無も言わさずに抱かれた。
今日は、月2回の自由な日。
朝から気持ちが晴れやかだった。午前中に部屋の掃除と台所の片づけをする。週に1度掃除の人が来てくれているから、それほど汚れもないのだが、一日空けると思うと、キレイにしておかないと気が済まない。
それは、旦那公認とはいえ、表立っては言えないことをしに行くのだから、後ろめたさからくる行動なのかもしれない。
午後になり、外出する準備を始めた。
念入りにお風呂に入り、身体をキレイに洗い、身体中にボディローションをつけてスベスベに肌を潤わせる。
ローズの香りとベルガモットの良い香りが身体中にしみこむ感じがする。
この日のために、下着も新調していた。
行く準備をしていた時、突然悟が帰ってきた。
『今日は中止になった』と一言だけ言うと、荷物を置き、不機嫌そうにドカッとソファに座った。
女との予定がつぶれたのだろうか?
突然の帰宅に瞳はすぐさま携帯で彼氏に連絡を入れた。
『ごめんなさい・・・夫が急に帰ってきてしまって、今日は無理そうです。また連絡入れます』
瞳は断りの連絡を入れて、月2回の楽しみがなくなってしまったと思うと、かなり残念だった。
悟が帰ってきては、瞳だけ出かけるわけにはいかない。
出かける準備中だったので、下着姿にガウンを羽織った姿になっていた瞳に、突然、悟が後ろから抱きしめてきた。
『色っぽい恰好で・・・良い香りもする・・・これから出かけるのか?』
首元に鼻を押し付けて、匂いを嗅ぎながら言ってきた。
『いえ・・・今日は外出しません・・・』
『俺が帰ってきたからやめたのか?』
『いえ・・・そんなことはありません・・・』
後ろから力強く抱きしめる腕を振りほどくことができず、その場でたたずむ。
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