「美歩っ…」
「はあ…剛、さんっ」
体を倒した先生が、覆い被さるようにして私を抱き締める。
両腕を背中に回されて、まるで身動きが取れない状態で、動かされる。
それが少しだけ恐くて
でも、それ以上に愛しくて
離さないでって、思う。
「美歩のナカ、きもちいっ…ずっと、こうしてたい」
「わたし、も…」
「美歩っ…!」
抱き締める力がまた強くなった。
痛いくらいに。
私も背中に回した手で、白衣をさっき以上に強く握り締める。
しばらくして、一番奥で先生の動きが止まった。
互いに抱き合った状態のまま、先生が首筋からゆっくりと顔を上げた。
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