居酒屋のカウンター。彼氏に振られ意気消沈した私が一人飲んでいるとふいに名前を呼ぶ声がして… (ページ 2)

数時間後。

「…おい、美月。大丈夫か?…ったく、飲み過ぎだろ」

「んー…?」

思いのほか話が盛り上がり、早いペースでお酒を飲んでいた私は酔ってしまい、睡魔に襲われていた。

「ほら、帰るぞ。送ってやるから」

「んぅー…」

蓮に体を支えられながら、彼が呼んでくれたであろうタクシーへと乗り込む。

足元がフラついておぼつかない。

「家、どこ?」

私は意識が薄れそうになりながらも、なんとか住所を伝えた。

タクシーで住んでいる家まで移動し、部屋まで運んでもらった。

私をベッドに座らせた蓮が水を運んで来てくれた。

「ん…、ありがと…」

水を受け取り、喉へと流し込むと、少し体が楽になった。

「ちょっとは楽になったか?」

「うん、だいぶ落ち着いた。変なとこ見せちゃってごめんね」

「謝んなって。今はしょーがねーよ」

優しく声をかけてくれる蓮に、ポロリと本音が溢れる。

「私って、魅力ないのかな」

「…なんで?」

「…やっぱり、なんでもない」

誤魔化すように笑うと、ふいに蓮に後ろから抱きしめられた。

「えっ、蓮…?」

「俺にしとけば?」

「えっ?んぅっ、んん、ふ…」

蓮の方に顔を向けた瞬間、唇が重なった。

あまりに突然の出来事に、思考が停止する。

キスは次第に深くなり、舌を絡め取られた。

「んんっ、ふ…ぁ、ま、待って!急に、どうしたの?」

肩で息を整えながら、蓮に尋ねる。

「俺さ、高校の時から、ずっとお前のこと好きだった。慰めて欲しいなら、俺がしてやるから…」

そしてまた、唇を塞がれる。

「ふっ…んっ、は…」

突然の告白に、先程から胸がドクンっと高鳴り、鳴り止まない。

蓮の手が、私のシャツのボタンを外していく。

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