恋と悦びを知らない奥様は、執事の愛で快楽に目覚めていく…。
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恋と悦びを知らない奥様は、執事の愛で快楽に目覚めていく…。 (ページ 1)
ドアをノックする音がして、私はホテルのソファから立ち上がる。
ドアののぞき穴から訪問者の顔を確認して、私はドアを開けた。執事の青山だった。飛びつきたい衝動を押さえつつ、笑顔で迎え入れる。
「奥様、お待たせいたしました。先ほど、旦那様を成田にてお見送りいたしました」
「ありがとう、青山。……主人は、ひとりで発ったの?」
青山は一瞬迷って、首を振った。そう、と私は頷いた。主人が私に告げた海外出張というのは、やはりただの浮気旅行だったみたいだ。
そういう私たち夫婦は、ほんの数回しか床を共にしなかった。主人は私より30歳以上も年上で、いわゆる政略結婚だった。一緒に過ごせば愛情が湧くだろうと思ったのは甘かった。主人は地位と金以外私に興味を持っていなかったようで、すぐ別の女性宅へ泊まり歩くようになった。
私はただの若くて見てくれが良いだけの、妻と言う名のお人形だった。
「いいのよ、今さら気にしてないわ。ちょっと確認しただけ」
眉を曇らせた青山に私は笑いかける。青山はそっと私の手を取ると、うやうやしく口づけた。
「奥様、よろしいのですか?」
「青山、怖気づいたの?」
「祖父の代からお仕えしてきた旦那様を、私は初めて裏切ります」
「ありがとう。どうか、私を救って」
青山は震える腕で私を抱きしめた。私も青山の背中に手を回す。人肌の暖かさに涙が滲んだ。
青山と私は歳が近い。執事という仕事柄、私たち夫婦の事情もよく知っていた。夫が妻を放置して、別の女と遊び歩き、妻は一人お屋敷に軟禁されているような状態なことも。主人は、自分は自由にしているけれど、私が自由気ままに過ごすことは許さなかった。実家に帰ることも、友だちと会うことも。
一人寂しくお屋敷にいる私に、青山は気を使って、良くしてくれた。それは、いつの間にか奥様と執事の関係を越えていき、主人の目を盗んで、想いを交わし合うようになっていた……。
「お慕いしております」
丁寧な仕草で、青山は私に口づけた。背中に回された手に力がはいるのを感じた。重ねられた唇はすぐにがつがつと飢えたように、互いをむさぼりあった。舌が絡み合う水音が響き渡る。
「青山……あの……」
ベッドに押し倒されたところで、私は彼を見上げながらおずおずと切り出した。
「どうなさいました?」
「私……あの……こういう男女の営みで、今まで、その、達したことがなくて」
青山の眉の片方が軽く上がる。
「ごめんなさい。ちゃんと言っておかないと、貴方に不愉快な思いをさせてしまうかもしれないと思って。……幻滅した?」
「いいえ。話してくださってありがとうございます」
大きな手が頬を包むようにして撫でた。
「お任せください、奥様」
「……名前で呼んで?」
「分かりました、志帆様。では、失礼致します」
もう一度、舌をねっちょりと絡み合わせるような熱いキスを交わす。そして、青山は私のスカートをたくし上げると、パンストと下着を下ろした。きゃっと私は悲鳴をあげる。青山は後退りして、私のつま先に口づけた。足の指を念入りに一本一本口の中に入れて、舌でなぞる。
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