セフレだと思っていた同僚の彼から意外なことを言われました (ページ 2)

「あっ、あ、……だめ、そこ――ああっ!」

巧みな愛撫に、私はあっけなく最初の絶頂へ押し上げられた。

こんなふうに優しく愛撫されると、勘違いしてしまいそうになる。

もしかして彼は、私のことを単に便利なセフレだとは思っていないのかもしれない。

もっと違う、大切な存在だと思ってくれているのではないか、と。

そんなこと、あるはずがない。

だって彼は、そういう気持ちを匂わせるようなことを言ったことは一度もない。

鋭い快感の余韻に身をふるわせている私に、彼が覆いかぶさってきた。

ゆっくりと彼が入ってくる。

「あ、く……、うう……っ」

私の中で、彼が力強く躍動する。

一度燃え上がった体はたやすく快感に溺れ、ふたたび絶頂へ駆け上った。

「あっ、ああ、もう……、もう――ああっ!ああっ!」

そして私たちは、何もかも忘れて快楽に溺れていった。

そうやってお互いを激しく求めあい、ようやく落ち着いた後。

私はふと、さっき感じた思いを口にした。

「ねえ……。どうして私と、こんなことをするの?」

「どういう意味だ?」

「だって……。別に私じゃなくても、他にも女の子はいるじゃない。どうしていつも私なの?」

「そんなこと――」

彼は一瞬、言葉につまった。

「誰でもいいわけじゃない。俺は、好きなやつとしか、こんなことはしない」

「えっ……」

今度は私が言葉を失う番だった。

「そ、そんなこと、今まで一度も……」

彼は顔をそむけた。

でも、その耳元が真っ赤に染まっている。

私は彼の背中に頬を寄せ、彼を抱きしめた。

「ねえ。もしかして、まだ物足りないんじゃない?」

彼の体が小さくこわばるのが伝わってくる。

「私もなの。ね?」

まだためらいがちな彼を振り向かせ、私からキスをした。

「私もよ。私もあなたが大好きなの」

そうして私たちは、もう一度、心から愛し合った。

-FIN-

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