花屋で働く年下の彼がマーガレットの花束に込めた想い (ページ 2)
繰り返しの一週間が来て、あっという間に金曜日。
でも、今日は花屋には行かない。
私の誕生日だから。
自分の誕生日に自分で花を買うなんて、これ以上みじめなことはない。
カイ君の笑顔を見たいと思いながらも、私はワンルームの部屋に戻った。
お風呂に入って、昨日の残りのシチューを食べていたら、スマホが鳴ってびっくりする。
知らない番号。
出るか迷ったけれど、念のために出た。
「もしもし、ラッキークローバーのカイです。突然、すみません」
意外な人からの電話に、私はえぇとあぁの中間のような返事をしてしまった。
「リコさんにお花が届いてるんですけど、今から伺ってもいいでしょうか?」
「花?あ、うん。大丈夫ですよ」
「ありがとうございます。五分くらいで着きますので、よろしくお願いします」
明るく爽やかな声の響きを残して、電話は切れた。
大慌てで、だらしないスウェットの上下を脱ぐ。
洗い替えのスウェットのワンピースに着替えて、髪を梳かし終えた頃、インターホンが鳴った。
モニターには花束を持ったカイ君。
私はドキドキしながらドアを開けた。
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